本ページでは、外壁サイディングの「通気工法」と「直張り工法」について記載しております。
※サイディングについてのページになります。
現在でも意外と見落とされてしまう事が多い「サイディングの設置工法」
まず「設置工法」とは、言葉の通り「設置する際の工法」になります。
ここ数年で建てられたお家はほとんど除外される事が多いのですが、サイディングは釘での取り付けが主流となっています。
(地域柄にもよりますが、ここ数年の新築のお家は金物での取り付けが多くなっています。)
上記写真でもわかるように釘打ちでの設置は至って標準ですので、こちらの点については塗装を行うにあたり何ら問題ありません。
ただ一度サイディングが設置される前の状態などを見た事がある方は、ご存知かもしれませんが、
サイディングの中には防水透湿シートや断熱材があり、お家の中から見るクロスが貼ってある壁とはある程度の距離・厚みがあります。
今回の記事のタイトルでもある「通気工法と直張り」では、外壁塗装工事の際に最も気をつけなければいけない事でもあり、診断調査時に「サイディングのすぐ裏」を確認しなければなりません。
「通気工法」と「直張り」の違いは、
サイディングのすぐ裏側に「通気層」と呼ばれる隙間があるかないかだけです。
・隙間があるかないかで何が違うの?
・隙間でそんな不備なんて出ないでしょ!
様々な意見はあるかもしれませんが、、、通気層がない場合は塗装をするか再検討してください!!!
というのが結論です。
通気層のあるサイディングは、
奥から下地ベニヤ板+透湿防水シート+細長い木材の胴縁(どうぶち)+胴縁に釘を打ってサイディングを貼り付けるという構造で組み立てられています。
ですが直張り工法の場合には、木材の胴縁がなく、下地ベニヤ板+透湿防水シート+透湿防水シートを貫通させて下地ベニヤ板に釘を打ってサイディングが設置されています。
お気づきでしょうか?
そうなんです、防水する為のシートに釘を貫通させて穴を開けているんです!
釘程度の穴なら、下地ベニヤが吸水するので、すぐさま雨漏り!なんて事にはなりませんが、構造上でも確実に良いものではありません。
そして通気層のない直張りの場合、サイディング裏に湿気が溜まり、
さらに窓などサッシ廻りは更に注意しなければならず、胴縁の設置方法も注意しなければなりません。
また通気工法と直張り、胴縁があるかないかを注意するだけでも、施主様で調べる事ができます。
2000年頃までは当たり前の工法として用いられていた直張り工法ですが、外壁塗装工事が盛んになるにつれ、透湿性が著しく悪く不備が出る確率が非常に高い事が発表されました。
そこからは徐々に通気工法が標準仕様として用いられ、だいぶ直張りで建てられるお家は減ったのですが、実はまだまだあるのも事実です。
本来、窯業系サイディングを用いた外壁は透湿性を重要している建物になります。
そこで通気層がなく、湿気の篭り易い直張り工法で設置された外壁サイディングの場合、
・サイディング内部からの損傷(外から見て気づいた時には塗装できない程になっている事が多い)
・間違った仕様で外壁塗装するとほぼ100%の確率で膨れる
※内部からの損傷とは・・・業界用語では「爆裂」とも呼ばれ、水風船を叩きつけて割れた状態に近い症状になり、サイディング表面の柄や色合いがなくなり白系orグレー系になってしまう。
そしてそれはサイディングが裸になっている状態で、塗装をしても柄が異なって見えたり、サイディング本体が薄くなり、塗膜を被せる事で更に汚くなってしまう恐れも高いです。
同じ部分から似た症状がほぼ永遠的に続いてしまいます。
※膨れとは・・・サイディング内部で発生した湿気は外気に出ようとしますが、新たに設けた塗膜により閉じ込められてしまい、新しい塗膜と湿気がおしくらまんじゅうをして発生してしまう症状です。
一言で言ってしまうと、上記のような爆裂と膨れが発生した場合は、今後ずっと完全には元通りにはならないという事です。
残念ながら「売り上げが欲しい」「知識がない」などといった理由で現地調査時に設置工法を確認しない業者もたくさんいますので、ご注意ください。
弊社では、直張りでもリスクを抑えた工法で施工し、7年後の定期点検まで不備が出なかったという実績もございます。
ただし、全く同じお家はなく、それぞれの立地環境や設置後の多少の違いが必ずありますので、どんな場合でもと断言できるわけではございません。また設置工法に関わらず、外壁サイディングは塗装工事をしないと、表面からの紫外線劣化などにより傷みが発生し、すぐ雨漏りしないからといって放置できるものでもありません。
そして実は私自身、今までに何度か「直張り調査」をさせて頂いた事があり、実際に「直張りかも?」という外壁サイディングを剥がし、肉眼で見た経験もございます。
断熱材や下地ベニヤ板の工法は異なりますが、はっきりと胴縁があるかないかがわかります。
お家はどんな形状でも人間が造りますので、釘の打つ場所や本数、細かい部分の違いは世の中のお家で同じものはありませんが、「外壁塗装における注意事項」はこんなにもはっきりと調べる事ができます!
また 調べ方もいくつかあり、そういった細かい事まで確認できない場合には、お客様の希望する仕様によってはサイディングを剥がし確認することもございます。
弊社診断書では、設置工法についてもきちんとご報告させて頂き、後々トラブルにならないよう努めております。
窯業サイディングを外壁塗装する際は、是非失敗のない安全な工事をして頂けたら幸いです。
他にも各建材や現在検討中、これから検討される方、ご不明点や聞いておきたい事などございましたら、ぜひリライアブルホームまでお気軽にご相談ください。
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