本ページでは、「下地調整材」と「下塗り材」の違いについて解説しております。
下地調整材とは、、、〇〇フィラー/〇〇サーフ にあたります。
性能としては、「塗装前の外壁材表面の肌感を整える材料」のことです。
肌感=外壁材表層 という事になります。
下塗り材とは、、、〇〇シーラー にあたります。
皆様もご存知の通り、通常3回塗りの内の1回目に塗装する、中塗り(上塗り)と外壁建材の密着力を確実なものにしてくれる、接着剤のような役割と言われている材料です。
さまざまなインターネットサイトや施工店のホームページなどを見ていると、 やはりまだまだ深く掘り下げて認識していないなあ。と思われる内容も多く記載されていますので、施主様が失敗しない為に、覚えておいて頂けたらと思います。
一般例として、国内最大手塗料メーカーの日本ペイントの材料で例えると、、、
主にモルタル外壁に使用する下地調整材
➡️パーフェクトフィラー(以下フィラー)
主に窯業サイディングに使用する下地調整材
➡️パーフェクトサーフ(以下サーフ)
全ての外壁材に使用できる下塗り材
➡️水性カチオンシーラー(以下シーラー)
難付着ボード(無機系or光触媒コーティング)専用下塗り材
➡️ファインパーフェクトシーラー(以下シーラー)
などが代表的な下地調整材・下塗り材として使用されています。
おおまかな用途(特徴)としては、
パーフェクトフィラー:モルタル・コンクリート外壁などに多く使われます。
(モルタル系外壁の小さいヘアクラックを全て補修できますので、下塗り工程の段階でクラックを隠してしまう材料です。)
パーフェクトサーフ:窯業系サイディング・ALC外壁に多く使用されます。
(サイディングやALCなどパネル系外壁の小さいヘアクラックを全て補修できますので、下塗り工程の段階でクラックを隠してしまう材料です。)
水性カチオンシーラー:モルタル・コンクリート・窯業サイディング・高意匠サイディング・ALC・ケイ酸カルシウム板など多くの外装建材に使用できる下塗り材です。
(下塗り工程の段階で小さいヘアクラックを補修できません。したがって下塗り工程ではクラックを隠せませんので、全てのクラックを補修しなければなりません。)
ファインパーフェクトシーラー:無機系コーティングや光触媒コーティングが施された難付着ボード専用の下塗り材です。
水性カチオンシーラーと同じく、どんな外装建材にも使用できる下塗りシーラーですが、ファインパーフェクトシーラーは水性ではありませんので、どんな外壁にも適用できるわけではありません。
(相見積もりをしていると、むやみやたらにファインパーフェクトシーラーを選定する施工店がいますが、それは非常に危険な仕様です。)
!そしてここからが要注意!
「フィラー/サーフ」 と 「シーラー」の性能的な違い!
それは、、、
①透湿性 と ②密着力 です!!!
塗料メーカーのカタログの一般的な仕様例として記載されている下塗り材は「フィラー/サーフ」です。
ただしカタログ裏面や下部の物凄い小さい字で記載された「※印マーク欄」や「施工上の要点及び注意点」をご覧になってみてください。
新規塗装工事の下塗りには「シーラー」を塗装後、下地調整材であるフィラー/サーフを使用してくださいと記載があります。
これは、初めて塗装をする場合「フィラーとサーフでは、何らかの不安要素がある」とも受け取れます。
実際にフィラーとサーフは「透湿性」と「密着力」がシーラー系下塗り材より劣ります。
塗料における一番大事な注意点などはその部分に記載されていますので、是非ご確認してみてください!
※日本ペイントカタログより一部抜粋※
①透湿性について
塗装職人ならすぐわかる事ですが、先述した通り、フィラーとサーフは塗るだけでへクラックを埋める事ができてしまいます。
これは悪い事と言って良いほどの事で、クラックを補修せず隠して塗装する為、工事後の経年でクラックが再発するリスクが格段に高まります。
特にサイディングに下地調整材を用いる場合には、外壁の設置工法も関わる為、余計にシビアにならなければいけないのです。
なぜなら、「外壁サイディングの通気工法と直張り」が関係しているのです。
サイディングなのにフィラーで見積もりする業者はそういった認識があるのか?
なぜ下地調整材+上塗りの仕様なのか?
きちんと確認しながらご検討する事をお勧め致します。
(下地調整材を使用したい場合、シーラー1回+下地調整材1回+上塗り2回=4回塗りがベターです。)
パネル系外壁材のサイディングボードやALCなどは「 透湿性 」が最重要になります。
※高耐久にしたいからといって高価な塗料を選んだとしても、透湿性が確保されていなければ外壁塗装工事そのものが勿体無いことになってしまうんです。
パネル系外壁材を使用した建物の外壁は、通気工法か直張りか、通気層がどれだけきちんと設けられているかによって、塗装仕様を大幅に変更しなければなりません。
さらに、その建物の通気層に見合う、且つそのお家の「透湿性をより確保できる仕様」をお客様のご要望と擦り合わせないといけないのです。
施主様に一番わかりやすい例えとすると、「通常3回塗りの塗料を多く塗った方が良いと言われたから倍の6回塗りで実施した。」などです。
これだと通常の透湿性が2倍、害されていることになります。
そして本記事でも記載した通り、「塗装前の外壁材表面の肌感を整える」とは、シーラー系の下塗り材よりも塗膜が厚くなってしまうという事も含まれています。
たしかに厚く塗ることでクラック補修の工程を省ければ必然的に手間代が浮き、外壁塗装工事全体としては安くなります。
ですが、いくら厚くなったとは言え「塗膜は塗膜」なのです。
塗装前の下地処理で、きちんとクラックを専用補修材で埋め塗装すれば、工事後のクラック再発の可能性は抑制できます。(下地からの構造クラックなどは別)
それをクラック補修せずにクラックの上から厚膜になる塗料を塗っただけ。ではすぐ再発してしまうのも当然です。
窯業サイディングにおいて、サーフ系の下地調整材を用いる場合には、それに見合う構造になっているか、工事後のリスクも含めて調査・診断しなければなりません。
②密着力について
近年、光触媒や無機系、何らかのコーティグが施された窯業サイディングが多く出回るようになりました。
その外壁材に下地調整材を下塗りに使用するのは危険度、特大です!
これもカタログに記載がありますが、必ず専用の下塗り材に変更しなければなりません。
新築時にセルフクリーニング効果があるサイディング材を選んだり、オプションでコーティングが施す事をプラスしたり、外壁材を少しグレードアップしている場合はしっかりご確認ください。
弊社リライアブルホームでは、透湿性の確認・コーティングが施されているか診断する術もあり、リスクのない仕様での対処法も熟知しております。
外壁や屋根、外装リフォームでお困りごとはリライアブルホームへご相談ください!
〜まとめ〜
①フィラー = モルタルやコンクリート面に適した下地調整材。
②サーフ = サイディングなどのパネル系外壁材に適した下地調整材。
※下地調整材は基本的にリスクがあるので、問題ないかをきちんと確認してください。
③フィラー/サーフ/シーラー、どの材料でも全てのクラック補修は確実にしてもらう。
(フィラーとサーフをお勧めしてくる業者はクラック補修を怠らないか、埋まると言ってくる業者は要注意です!)
⑤初めての外壁塗装の下塗りは、水性シーラー系下塗り材が最も安全!
⑥通常の3回塗り塗料でも、「下塗り材+下地調整材+上塗り2回」の4回塗りが出来るお家もあり、この組み合わせをした場合は、3回塗りより塗膜を強靭にする効果が期待できます。
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